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月刊「自然と人間」連載中


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決戦下の実戦英作文

『受験と学生』昭和17年2月号 

 表紙ウラの広告。「三角の突破」という本をどうしても見たい!

戦争中、英語は「敵性言語」とされ、社会からすべて放逐された……というわけではなかった。野球の「ストライク」を「イイ球!」に、タバコの「チェリー」を「桜」に言いかえたのは有名なエピソードだが、少なくとも高等学校以上の中・上級学校の受験科目には「英語」が入っていたし、昭和19年には中学生向け国定教科書「英語」が刊行されていた。今も昔も多くの受験生諸君が「英語」に悩んだのにはかわりなく、当時の受験雑誌には受験用英語講座に相応のスペースが割かれている。ところがその受験英語の中身が、かなりのハイレベルかつトンデモ英語だったのだ。例えば、(旧制)高等学校受験むけの『受験と学生』(昭和17年2月号 研究社刊)の「和文英訳最後の実力だめし」コーナーでは、こんな英作文の問題が掲載されている。
【基本問題】
山本提督は古来希なる海軍武人である
長期戦を遂行する為には銃後の我々が節約をせねばならぬ
戦地に居る兄から元気旺盛で軍務に従事していると言って来た
――うーむ結構むずかしい……ちなみに2番目の問題の解答は「In order to sustain a protracted warfare, we at the home front must practise economy.」。銃後は home frontなんだそうです。この程度で驚いていてはいけない。もう一段レベルアップすると
【臨戦問題】
日本の武人は刀折れ矢尽きるまで闘い続ける。そうなっても彼は降参する位ならむしろ自決する。これは世界無類の大和魂があるからだ
――さっぱり歯が立たない。「大和魂」なんて何と訳せばいいのか? 解答にはSpirit of Yamatoとあるが、それで英米人に通じるのかはなはだ疑問である。しかしこんな英作文が役に立つのはどんなシチュエーションなのであろうか。まだある。
【必勝問題】
日本の執っている政策並びに懐抱している理想は人類の功利的観念を一掃し、大東亜の旧組織に代うるに新体制を以てし、かくて世界各国をしてその所を得しめることである
――この問題は読者の方々から解答を募集します。早川タダノリまでメールください。正解を返送します。 

月刊「自然と人間」2004年11月号掲載

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